希少な沖縄のブランド豚「アグー豚」 幻の豚と呼ばれるその特徴とは

希少な沖縄のブランド豚「アグー豚」 幻の豚と呼ばれるその特徴とは

 目次
由来にある幻の豚と呼ばれる理由
アグー豚が希少だといわれる理由である、その特徴とは
アグー豚が沖縄県内外ともに愛される理由とは
美味しいアグー豚にも特有の健康効果が
アグー豚を活かす沖縄流食べ方とは

沖縄のおすすめ食材であるアグー豚栄養が豊富で、美と健康を支えてくれる最高の癒しフードです。アグー豚が愛される理由は、その特徴や由来にあります。希少な品種といわれるその理由を、おすすめの食べ方と一緒にご紹介します。

由来にある幻の豚と呼ばれる理由

アグー豚はもともと、沖縄が有する貴重な在来豚でした。今から約600年前、沖縄は琉球王国時代にありました。そのころ、琉球の王「察度」の使者が、明国(中国)から種豚を持ち帰ってきたといわれています。そこから養豚が始まりました。

1904年、農商務省よりバークシャー種(おもに黒豚)が新しく導き入れられ、アグー豚の改良に活用されました。1946年、第二次世界大戦の影響でアグー豚は激減。絶滅の危機に追い込まれます。そこで飼育のしやすい西洋品種が、沖縄にたくさん入ってきました。

すっかり絶滅したかのように思われたアグー豚ですが、ここで大復活が始まります。1981年に名護博物館がアグー豚の確認調査を行い、残っているアグー豚の収集に取り掛かかりました。

それらのアグー豚は、県立北部農林高等学校に集められました。そこで純粋なアグー豚となる戻し交配が行われるようになりました。1994年には戦前に近いかたちのアグー豚となり、奇跡の復活を遂げました。

一時は絶滅の危機へと追い込まれたアグー豚ですが、昨今の技術と努力により見事に復活し、今も沖縄で食べられるようになりました。ここに幻の豚と呼ばれる所以があるようです。

アグー豚が希少だといわれる理由である、その特徴とは

アグー豚は、一般的な肉豚である西洋品種とは大きな違いがあります。アグー豚は西洋品種と比べて身体がとても小さいのが特徴です。西洋品種は成長すると体重300㎏近くになりますが、アグー豚は成長しても体重が110㎏にしかなりません。

一般的な豚の3分の1ほどにしか成長しないのです。当然、身体が小さいと1頭からとれる肉の量も少なくなってしまいます。また、アグー豚は西洋品種よりも成長スピードがとても遅いです。飼育日数は一般的な豚の2倍も必要になります。

長い年月を必要とする品種なので、大量生産が非常に難しくなります。最近、沖縄県ではアグー豚の生産量を上げようとDNA分析を行い、交配の研究が進められていますが、まだまだ数が少ないのが現状です。

数が少ない分、なかなか沖縄本土以外の場所へは流通されず、ほとんどが沖縄本土で消費されています。古くから沖縄の食文化には欠かせないアグー豚ですが、沖縄本土の人でもなかなか口にできないほど希少な豚です。

アグー豚が沖縄県内外ともに愛される理由とは

アグー豚は一般の豚肉と比べ、霜降りの割合が多く肉もやわらかく脂身のうまみと甘味が強くなっています。霜降りの割合である筋肉内脂含量は、一般の豚肉と比べても5%も多いことがわかっています。

長い期間で育てられるアグー豚は、霜降りもきめ細やかになり、うまみが濃い肉質へと仕上がっています。丁寧な飼育が施されたアグー豚は、臭みがとても少ないのが特徴です。臭みのない肉が、脂身のうまみをより引き立てます。

脂身の溶ける温度として表される脂肪融点が、一般の豚肉と比べても、38.1度ととても低くなっています。そのため口の中に含んだ時、脂が程よく溶けており、うまみと甘味を強く感じさせます。まろやかな脂身は、アグー豚特有の魅力といえるでしょう。

アグー豚のうまみ・甘味成分を一般的な豚と比べると、なんとうまみ成分が2倍以上甘味成分が10倍以上にもなることがわかっています。

沖縄では豚を「鳴き声以外はすべて食べつくす」とよくいわれます。在来種であるアグー豚にこれほどの美味しさがあるからこそ、そのような言葉が生まれたのでしょう。

美味しいアグー豚にも特有の健康効果が

アグー豚は一般的な豚肉に比べて、コレステロールが4分の1ととても少なくビタミンB1もより多くなっています。とてもヘルシーな品種なのです。そのほかにも身体に嬉しい効果がたくさんあります。

多くの女性を虜にするコラーゲンが、アグー豚の脂身には豊富に含まれています。コラーゲンといえば、お肌にハリや弾力を与えてくれ、お肌の潤いを保ってくれることで有名な成分です。

そのコラーゲンが豊富に含まれているアグー豚は、食べて嬉しい最高の食材といえます。ほかにも骨を丈夫にする効果がコラーゲンには備わっており、年齢とともに気になる骨粗しょう症の予防にもつながることでしょう。

また、アグー豚に含まれるアミノ酸が身体の疲れを癒してくれます。一般的な豚肉の約3倍のグルタミン成分が強くうまみを感じさせるので、心もからだも満たされる最高の癒しとなるでしょう。

アグー豚を活かす沖縄流食べ方とは

沖縄には豚肉を余すことなく食べつくすことができる、そんなレシピがふんだんにあります。美味しいアグー豚を、より美味しく食べる沖縄の食べ方をご紹介します。

しゃぶしゃぶ

水菜・白ネギ・エリンギ・豆腐など、お好きな野菜と具材を用意します。だし汁の入ったお鍋でお好きな具材とともに、薄切りにしたアグー豚に火を通します。薬味には刻みネギや大根おろしなどを用意しておくとよいでしょう。

火が通ったアグー豚をお好きな薬味とともに、ポン酢やゴマダレなどのお好みのタレにつけていただきます。アグー豚の肉の柔らかさや脂のうまみと甘みがしっかりと感じられるオススメの食べ方です。

せいろ蒸し

沖縄の島野菜とともにアグー豚をせいろで蒸すせいろ蒸しもオススメです。シンプルな調理法が、アグー豚のうまみを際立たせます。蒸すことで余分な脂を落とし、さらにうまみが凝縮されます。

茹でたり、煮たりするのとは違って、ビタミンも逃がさず栄養もしっかり摂れます。

せいろから立ち上る湯気もまた、癒しを与えてくれ目でも楽しむことができます。野菜にも栄養とうまみが凝縮されているので、心も体も満たされることでしょう。

ラフテー

沖縄には「ラフテー」という料理があります。いわゆる豚の角煮に近い食べ物ですが、沖縄のラフテーは一味違います。豚肉は皮付きのまま調理します。皮まで食べることで、より多くの栄養成分を摂ることができます。

皮付きのままであると豚の体毛が気になるところですが、表面の毛を焼いたり、丁寧に抜き去ったりすることできれいに取り除くことができます。味付けは醤油と砂糖が一般的な食べ方ですが、味噌で味付けをされることもあります。

ラフテーは丁寧な下処理が施されたのち、時間をかけて煮込まれます。シンプルでありながら、手間暇をかけられた奥深い一品です。

まとめ

美容・健康成分がたっぷりと蓄えられていながら、うまみが充分につまったアグー豚。絶滅の危機に瀕しながらも、奇跡の復活を遂げ、今も沖縄で愛され続けています。

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