ワンちゃんの先祖はオオカミなので、ワンちゃんはお肉には目がないですよね。ワンちゃんにお肉を食べさせてあげたくても、身体にどういう影響が出てくるのか心配になることもあるかと思います。ワンちゃんに与える肉について、詳しく解説していきます。
ワンちゃんにお肉を食べさせても大丈夫なのか
人間が日常的に食べているお肉であれば、ワンちゃんが食べても問題はないとのことです。例を挙げるのならば、鶏肉・豚肉・牛肉・馬肉・羊肉・イノシシ肉・鹿肉などです。人間もワンちゃんも同じものを食べることができるのですね。
これは、ワンちゃんを可愛がる飼い主さんにとっても、嬉しいことではないでしょうか。
ワンちゃんが食べてもいいお肉の部位は何でも良いのか
人間と同じようにお肉が食べられるとはいっても、ワンちゃんにも食べてよい部位と食べてはいけない部位があるようです。どこに気を付ければいいのか、肉の種類ごとに解説していきます。
鶏肉
鶏の肉の中で食べても良い部位は、以下になります。
〇もも肉
〇むね肉
〇ささみ
〇せせり
〇レバー
〇手羽先
〇砂肝
と、いうことになります。しかし、生肉のままだったり、切らずにそのまま与えたりして良いわけではありません。生肉には、細菌や寄生虫がすみついています。
細菌でいえば、サルモネラ菌・大腸菌・カンピロバクターです。寄生虫で代表的なものは、トキソプラズマなどです。人間が生肉のまま食べても身体に危険が及びますが、ワンちゃんが生肉を食べても病気になってしまう危険があります。
細菌や寄生虫から守るためには、お肉をしっかりと加熱することが大切です。お肉の中心部まで、きちんと加熱しましょう。
そして、お肉は大きさや硬さがそれぞれ違います。ワンちゃんがのどに詰まらせたりしないように、大きさや硬さに合わせて、小さくカットしてあげましょう。また、鶏肉の場合、骨には注意をしたいところです。
鶏肉の骨は、ささくれやすくなっています。ワンちゃんの口内や内臓を傷付けないためにも、骨は取り除いておいた方がよさそうです。脂肪分の多い「鶏皮」については、ワンちゃんの身体のコンディションに合わせて、与える量を調整してあげてください。
豚肉
豚肉の中で食べても良い部位は、以下になります。
〇ロース
〇ひれ
〇レバー
〇バラ
と、なっています。人間は、ホルモンなどの内臓系を食べることも多いですが、ワンちゃんには与えない方が良いようです。犬は、大量に動物性脂肪を摂ってしまうと、「急性膵炎」を引き起こす恐れがあります。
そういったことから、ホルモンなどの脂が多い部分は避け、脂身がついているようであれば、取り除いてあげるように心がけましょう。
豚肉も、加熱調理はしっかりとしてください。豚の肉にも、細菌・寄生虫が存在します。生のまま与えるのだけは、やめましょう。ワンちゃんがのどに詰まらせることも考えられるので、大きい肉や硬い肉は、あらかじめカットしておくようにしておいてください。
牛肉
牛肉の中で食べても良い部位は、以下になります。
〇ロース
〇もも
〇すね
〇すじ
〇レバー
と、なっています。牛肉の場合は、ユッケ・刺身など、人間でも生肉のまま食べることがあります。それならば、ワンちゃんも生肉のまま食べても大丈夫であろう、と思われるかもしれませんが、あまりオススメはできません。
基本的に、生で食べる肉は鮮度管理・衛生管理がしっかりと行われていますが、表面に細菌などがついていないとも限りません。特に、レバーは「O157」などの感染が報告されており、安全であるとは言い難いところがあります。
安心して食べるためには、加熱調理をしておくことが重要です。
羊肉
羊の肉で食べても良い部位は、以下になります。
〇もも
〇ヒレ
〇ロース
〇ラムチョップ
〇バラ
と、なっています。羊の肉では、生後1年未満の子羊の肉を「ラム」といい、1歳以上の羊の肉を「マトン」といいます。「マトン」は「ラム」よりも、肉の臭みが強いです。そのため、ワンちゃん用の羊肉というと、「ラム」が多くなっています。
羊の肉は、細菌などに汚染されている可能性が非常に低いといわれています。ですが、あくまでも可能性が低いというだけなので、感染が全くないとはいえません。羊の肉をワンちゃんに与えるときも、加熱処理はしっかりとしていきましょう。
馬肉
馬の肉で食べてよい部位は、以下になります。
〇ロース
〇ヒレ
〇もも
と、なっています。馬肉は、細菌に感染している可能性が、非常に低いといわれています。そのため、店頭で売られている馬の肉では、「馬刺し」が多く見受けられるのではないでしょうか。
きちんとした鮮度管理・衛生管理がされているのであれば、生肉でも食べることができます。ただし、100%安全かというと、そうでもないようです。サルコシスティスという寄生虫が寄生していることもあるとのことです。
嘔吐や下痢といった症状が出るとのことなので、ワンちゃんが苦しまないためにも、加熱処理をして与えてあげたほうがよさそうです。
身体が弱っているワンちゃんにはお肉は控える
パピーやシニアはもちろんのこと、身体が弱っているワンちゃんにお肉を与えるときは、慎重に与える必要があります。特に、持病があるワンちゃんの場合は、必ず獣医師と相談してからにしましょう。
お肉に味付けはしないようにする
ワンちゃんにとって「塩分」や「香辛料」は、避けたほうがよいものとなります。お肉は、さっと焼いたり、茹でたり、蒸したりすると良いでしょう。
肉は肉でも加工肉は与えていいのか
ソーセージ・ハム・ベーコン・缶詰など、加工されたお肉がありますが、それらを与えるのはオススメしません。塩分・香辛料・食品化合物が含まれているので、ワンちゃんの身体に良いものではありません。
肉にアレルギーがあるワンちゃんもいる
ワンちゃんも人間と同じように、アレルギーを持つ子もいます。牛肉や豚肉などにアレルギーを持つ子がいるので、初めてお肉を与えるときには、慎重に与えるようにしましょう。
「ラム肉」は、低アレルギー食といわれていますが、アレルギーに心配がある場合は、獣医師に相談してください。
人間用と犬用は必ず分けて
飼い主さんとワンちゃんが一緒に食事をしていると、ついつい、人間が食べているものをワンちゃんにも食べさせてあげたくなりますよね。
しかし、ワンちゃんに長く元気でいてもらうためにも、人間用とワンちゃん用は、必ず分けるようにしましょう。
味付けなどは違っても、同じものを食べられる喜びは変わりません。一緒に楽しい食事ができるのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか?ワンちゃんは、お肉が大好きです。少しでも好きなものを食べさせてあげたいですよね。
お肉を与える際には、お肉の種類や調理方法などに気を配れば、人間と同じように、ワンちゃんもお肉を食べることができます。
ワンちゃんの身体に良くない、塩分・香辛料・化学調味料・脂身を避けて、美味しいお肉を食べさせてあげてみてはいかがでしょうか。