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美味しい赤身肉を生み出す「石垣島」の環境とは 「石垣牛」の肉質の特徴 「石垣牛」のオススメの食べ方とは 部位によって違った味わいも楽しめる「石垣牛」 |
沖縄の石垣島で肥育される、「石垣牛」。その赤身と脂身の美味しさは、石垣島ならではの環境から生み出されたものであるとわかりました。石垣島が牛に与える環境とは、いったいどんな環境なのか?美味しい「石垣牛」の味に関するひみつを、詳しく解説します。
美味しい赤身肉を生み出す「石垣島」の環境とは
沖縄の「石垣島」は、美味しい和牛を生み出すのに適した環境です。「石垣島」のどんなところが牛に適した環境なのか、順にみていきましょう。
牛にストレスを与えない環境
牛は、ストレスにとても弱い動物です。人間も含め動物はみなストレスを感じると、食欲が落ちたり、病気になってしまったりと健康に悪い影響が出てしまうことがあります。一見、丈夫そうに見える牛ですが、牛はとくにストレスに弱いといわれています。
牛は、暖かくてのびのびと過ごせる環境を好みます。その点「石垣島」は、冬であっても暖かい環境です。一年中暖かく、広い牧草地がある環境は、牛にとって最適な環境といえるのです。
牧草がよく育つ環境
牛にとって、牧草は非常に重要です。牛は、4つの胃を持っています。その中でも一番大きいのが、第一胃です。牛は、この第一胃を使って牧草を発酵させ、分解していきます。第一胃は牛の健康にとても重要で、これが壊れてしまうと肥育に影響してしまいます。
健康で質の良い牛に育てるためには、仔牛のうちから、質の良い牧草を存分に与える必要があります。「石垣島」は暖かく、充分な日差しで、牧草がとてもよく育ちます。また、ミネラルを豊富に含む土壌は、栄養価の高い牧草が育つ環境です。
牧草で丈夫な胃をつくることによって、その後与える飼料の栄養をしっかり吸収できるようになります。そうすることで質の良い「石垣牛」へと成長していくのです。
質の良い素牛を生み出す環境
古くから「石垣島」の牛は、「素牛(もとうし)」という質の良い仔牛を生み出してきました。素牛は日本各地に出荷され、各々の地で「ブランド和牛」として成長していきます。
素牛は、質の高い「血統」を持っていることが大切になってきます。日本各地で認められる血統を持った「石垣島」の素牛なので、肉質の良い「石垣牛」へと成長するのです。
数少ない牛を手間暇かけて育てられる環境
「石垣牛」のほとんどは、仔牛の時に「素牛」として日本各地に出荷されます。その後、残った貴重な牛を、手間暇をかけて育てていきます。数が少ない分、健康管理も充分にすることができ、充分な量の牧草を与えることもできます。
また、肥育期間も、一般的な牛よりも長い期間で育てることができます。それにより、良質な肉をたっぷりと蓄えた「石垣牛」へと仕上がるのです。
「石垣牛」の肉質の特徴
「石垣牛」は赤身肉と脂身のバランスが非常に良く、見た目にも美しいほど「サシ(霜降り)」がキレイに入っています。脂身の融点(溶ける温度)が低いので、口に入れた途端、口の中いっぱいに脂身の甘さが広がります。
人肌ほどの温かさで脂身が溶けるので、さっと火を通すだけでも、脂身の甘さ・旨味が存分に堪能できます。脂身が多すぎることもないため、しつこくなく、さっぱりと食べられます。
赤身肉も柔らかい肉質なので、とろける脂との食感のバランスがとても良くなっています。はやく口の中でほどけていくので、濃厚な赤身肉の旨味・脂身の甘味が絶妙に合わさり奥深い味わいになっています。
融点が低いことによって、肉の甘さを感じさせる香りが鼻へと抜けていきます。「石垣牛」の「見た目の美しさ」・「ほどける食感」・「濃厚な旨味と甘味」・「鼻に抜けていく香り」を、五感を使って存分に堪能できることでしょう。
「石垣牛」のオススメの食べ方とは
「石垣牛」の脂身は低い温度で溶け、赤身も非常に柔らかいので、どんな調理法でも美味しくいただけます。代表的な料理には、しゃぶしゃぶ・すきやき・ステーキ・焼肉・ハンバーグ・握りなどがあります。
この中で、五感を使って存分に堪能できるオススメの料理は「しゃぶしゃぶ」ではないでしょうか。さっと火を通すだけで、「石垣牛」の肉の旨味・脂身の甘さをストレートに味わうことができます。
お好みの野菜も一緒に「しゃぶしゃぶ」鍋で食べれば、バランスよく栄養も摂ることができます。「石垣牛」とともに沖縄の味を堪能するのであれば、野菜も沖縄の「島野菜」にするのがオススメです。
ミネラルを豊富に含んだ土壌から得られる栄養を、たっぷりと摂ることができます。また、「石垣牛」の味わいを「島野菜」が引き立ててくれます。
お好みのつけダレをつけて食べれば、最後まで飽きることなく「しゃぶしゃぶ」を楽しむことができるでしょう。
部位によって違った味わいも楽しめる「石垣牛」
「石垣牛」は、部位によって違った味わいが堪能できます。牛の部位によって、どんな違いがあるのかご紹介します。
もも肉
後ろ足の付け根にある肉が、もも肉となります。身体の中でよく動かす部位であるため、赤身の部分が多めです。ほかの部位と比べると、価格が安くなっています。カレーなどの煮込み料理が合うでしょう。
肩肉
前足の付け根から首にかけて広がっている部位の肉を指します。スジが多めの肉となっています。煮込み料理にすると、トロトロになります。「ミスジ」という希少な部位も、この肩肉に含まれます。
肩ロース
赤身肉に脂身が程よく入るサシ(霜降り)のバランスが、とても良い部位です。赤身と脂身を同時に味わうことができるので、さっと火を通す料理に適しています。ただし首に近いほうの肉は硬くなっているので、煮込み料理にしたほうが良さそうです。
リブロース
サーロインと並ぶ、肉質の良い部位です。サシ(霜降り)のバランスが良く、赤身と脂身の旨味・甘味をしっかり堪能できます。どんな料理にも合い、総合点が高い部位になります。しゃぶしゃぶ・ステーキ・焼肉などで、肉の味わいを楽しんでください。
サーロイン
ステーキの代名詞ともいえる、サーロイン。サシ(霜降り)のバランスも、抜群に良くなっています。まさに、肉を味わうための部位であるともいえます。ステーキだけでなく、どんな料理とも相性抜群です。
ヒレ肉
ヒレ肉は、1頭からとれる量が限られており、大変希少な部位です。赤身が多い肉ではありますが、肉質はとても柔らかいのが特徴となっています。脂身が少なく、火を通しても硬くならないことから、女性や高齢者に人気があります。
ランプ肉
ヒレ肉についで柔らかい肉質だといわれています。赤身肉の旨味が強いため、ユッケ・ローストビーフにも使われます。赤身肉を味わうことができる、そんな調理方法がオススメといえるでしょう。
バラ肉
あばら骨の周辺の肉を指します。脂身部分が多く、脂身を味わいたい場合に最適です。脂身の甘さを、心ゆくまで堪能することができます。脂身の多いことを考えると、煮込む料理がオススメであるといえます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?「石垣牛」の美味しさのひみつである、「産地の特徴」・「血統の良さ」・「肉質の良さ」について、ご紹介いたしました。あまり知られてはいませんが、「石垣牛」には美味しくなる要素が、ふんだんに含まれています。