沖縄県民に古くから親しまれている「さんぴん茶」。どんなお茶なのか、ご存知ない方もいらっしゃるのではないでしょうか?「さんぴん茶」とはどういったお茶なのか、どういった健康効果があるのか、副作用はないのかなど、詳しくご紹介していきます。
沖縄の「さんぴん茶」とは
「さんぴん茶」は、沖縄では最もポピュラーなお茶です。古くから、老若男女問わず親しまれてきました。「さんぴん茶」の「さんぴん」とは沖縄での言葉で、中国語の「香片(シャンピェン)」から「さんぴん」と呼ばれるようになったといわれています。
「さんぴん茶」は、緑茶にジャスミンの香りをつけたお茶です。緑茶といっても、日本で親しまれている緑茶とはわずかに違いがあります。中国の緑茶の作り方で「さんぴん茶」は作られているのです。
中国では緑茶を釜煎りします。そうすることによって酵素が不活性化されるので、まろやかな味わいのお茶になります。まろやかな緑茶とジャスミンの香りは相性が良く、互いの良さを引き出しあっています。
「さんぴん茶」と「ジャスミン茶」の違い
ほぼ同じものと考えても良いと思われます。どちらも緑茶が使用されますが、緑茶の製造方法が日本と中国で違うことから、それぞれ違うお茶を使っているといわれることがあるようです。
また、メーカーによってウーロン茶が使われているなど、それぞれ製造工程や味が違っているので、飲み比べてみるのもオススメです。
「さんぴん茶」も「ジャスミン茶」も使用する緑茶の茶葉の質と、何度香りづけをしたかで、価格が変わってきます。質の良い茶葉を使い、何回も丁寧に香りづけされたものは、価格も高くなっています。
沖縄で「さんぴん茶」が飲まれるようになった背景
中国で飲まれていた「ジャスミン茶」が、いつ沖縄に伝わり「さんぴん茶」として飲まれるようになったのかは、はっきりとはわかっていません。14世紀~16世紀ごろ、沖縄が琉球王国であったとき、中国とも盛んに交易が行われていました。
そのような時代背景から想像すると、「さんぴん茶」はかなり昔から沖縄に伝わり、飲まれてきたのではないかと思われます。庶民が「さんぴん茶」を飲むようになったのは、1901年ではないかと考えられています。
1901年に尚家財閥の貿易商社が、福州に「さんぴん茶」の製造工場を構え、沖縄県内に普及させたからだといわれています。
オススメの「さんぴん茶」を飲むタイミングとは
カフェインが含まれており、さわやかな口当たりのお茶であるので、朝の目覚めの一杯として飲むのがオススメです。他にも、仕事や家事育児の気分転換のときに飲むと良いでしょう。脂っこい食事と一緒に飲むと、独特の香りとさわやかさから、お口の中がスッキリします。
「さんぴん茶」にはカフェインが含まれているのか?赤ちゃんは飲めるのか?
お茶類100mlあたりに含まれているカフェインの量は以下の通りになります。
玄米茶:10mg
さんぴん茶:15mg
煎茶:20mg
ウーロン茶:20mg
ほうじ茶:20mg
紅茶:30mg
コーヒー:60mg
上記の通り「さんぴん茶」にはカフェインが含まれています。ほかのお茶類と比べるとカフェインの量は少なめではあります。カフェインを避けたほうが良い、赤ちゃんなどには控えたほうが良いでしょう。
「さんぴん茶」の効果・効能
「さんぴん茶」には、多くの美容・健康効果が期待されています。以下にその一部をご紹介します。
〇抗うつ
〇自律神経の緊張を和らげる
〇リフレッシュ
〇覚醒
〇ストレスを緩和する
〇美肌
〇ダイエット
〇口臭予防
〇女性ホルモンを整える
〇胃腸を整える
〇利尿作用
〇抗酸化
〇アンチエイジング
「さんぴん茶」の美味しい淹れ方とは
「さんぴん茶」を淹れるときのお湯は、80℃が適温となります。
「さんぴん茶」を淹れる手順
1.茶葉を急須に入れる前に、沸騰したお湯を急須に入れて、人数分の湯呑みにそのお湯を移し一旦冷まします。(これでお湯が適温の80℃になります)
2.急須に茶葉を入れて、湯呑みに入れたお湯を全て急須に戻します。
3.そのまま30秒~1分ほど蒸らします。
4.湯呑みに注いでいきます。(最後の一滴まで注ぎ切ります)
何度も淹れるときは?
「さんぴん茶」は、同じ茶葉で4回ほど淹れることができます。1回ごとにお茶が薄くなっていきますので、一回ごとに蒸らし時間を長くして調節してください。
「ジャスミン茶」を飲むとワキガがひどくなる??
インターネット上では、どういうわけか「ジャスミン茶を飲むとワキガがひどくなる」という情報が出てきます。実際はどうなのか調べてみたのですが、「そのような事実はない」とわかりました。
ワキガがきつくなる体質かどうかは先天的なもので、遺伝が関係しているともいわれています。食べ物や飲み物を摂ることによって、体臭がきつくなるといわれているものも、なかにはあります。
例えば、ニンニクなどの臭い成分「アリシン」は、血流にのって毛穴から体臭を発するともいわれています。「ジャスミン茶」に関しては、むしろ逆で体臭を改善するために飲まれていることが多いということです。
「ジャスミン茶」のベースとなる「緑茶」には、脂肪の酸化を抑えてくれる効果から、体臭や口臭を防いでくれるといわれています。
インターネット上に流れる「ジャスミン茶を飲むとワキガがひどくなる」という噂は、「ジャスミン茶」には体臭を改善してくれる効果があるということが、間違って伝わってしまったということでしょう。
気になる「さんぴん茶」の副作用とは
「さんぴん茶」のベースとなっている緑茶には、身体を冷やす作用があります。普通に飲む分には問題はありませんが、飲みすぎてしまうと身体を冷やし過ぎてしまう恐れもあります。
胃腸が冷えすぎて胃腸がうまく働かず、食欲不振・下痢・腹痛などが起こることも。胃腸が弱い方や、身体を冷やしたくない方は、温めて飲むことをオススメします。
「さんぴん茶」は沖縄旅行の定番お土産!!
「さんぴん茶」は沖縄の人たちに親しまれているだけでなく、観光客のお土産としても選ばれ続けています。サーターアンダギー・ちんすこう・紅芋タルトなどと並んで、人気のお土産です。
沖縄にきた観光客は「さんぴん茶」のペットボトルを、帰りの飛行機の中でも飲めるように購入することが多いようです。沖縄の風を感じさせるような、爽やかな味わいのお茶は、どなたでも虜になってしまうことでしょう。
まとめ
沖縄で古くから親しまれてきた「さんぴん茶」は、緑茶にジャスミンの香りをつけた爽やかな風味のお茶だということがわかりました。沖縄が琉球王国であった頃から、お茶は親しまれてきたのかもしれません。
女性はホルモンバランスによって、体調が揺らぎやすくなっています。「さんぴん茶」には、気持ちを穏やかにしてくれる効果・ホルモンバランスを整えてくれる効果・美肌効果など、女性には嬉しい効果があります。
「朝の目覚めに」・「仕事や家事育児で休憩したいときに」・「脂っこい食事をしたときに」・「口臭・体臭が気になるときに」など、「さんぴん茶」を取り入れてみてはいかがでしょうか。