沖縄の和牛はなぜ美味しいのか

沖縄の和牛はなぜ美味しいのか

 目次
日本各地のブランド牛は沖縄生まれ!?
沖縄の環境が牛の肥育に適している
数少ない素牛を丁寧に育てることで美味しい牛となる
牛肉の「A5」などのランクの意味
牛肉の部位についての違い

沖縄の和牛には、美味しい理由があります。沖縄の風土であったり、牛本来の美味しさだったり、誕生・肥育の仕方だったりと、さまざまな理由があわさって特別な美味しさを生み出しています。沖縄の和牛がなぜ美味しいのか、詳しくご紹介します。

日本各地のブランド牛は沖縄生まれ!?

 

沖縄には、「石垣牛」・「宮古牛」・「伊江牛」・「山城牛」などのブランド和牛があります。和牛は日本で生まれ育った牛であるなど、厳格な基準が存在します。

和牛として認められている品種は4品種で、「黒毛」・「褐毛」・「無角」・「日本短角種」のみとなります。沖縄の和牛は、ほとんど黒毛和牛となっています。

じつは、沖縄で生まれた和牛の子牛のほとんどが日本各地に出荷され、出荷された土地で肥育されてその土地のブランド牛になっています。沖縄の和牛は、血統が非常に良いと評価されているためです。

生後6~12か月の子牛になると、日本各地に出荷されていきます。8割ほどが子牛の状態で出荷され、残り2割ほどが沖縄で肥育されて沖縄のブランド牛となります。

牛の美味しさは「血統」が非常に大事だといわれています。これだけ高い評価を得ている沖縄和牛の子牛から考えても、沖縄の和牛には美味しくなる素質があるといえるでしょう。

沖縄の環境が牛の肥育に適している

牛はストレスに非常に弱く、環境が適していないとすぐに病気になってしまいます。牛は暖かい環境を好むので、沖縄の気候は牛に適しているといえます。沖縄の海はミネラルが豊富で、それが牧草にも良い影響を与えています。

また、沖縄は暖かいところなので、牧草が非常によく育ちます。そのため、牛に与える牧草が豊富な土地であるといえます。牛には栄養豊富な餌を与える前に、しっかりと牧草を食べさせる必要があります。その理由を以下にご説明します。

牛には、「4つの胃」があります。この中で一番大きな「第一胃」という胃が、「牧草を消化する胃」となっています。じつは、この第一胃が牛の健康に関係しています。第一胃が病気になってしまうと、牛は大きなダメージを受けてダメになってしまうのです。

それゆえ、沖縄の土壌が生んだ栄養豊富な牧草を充分に与えてから、成長を見つつ濃厚飼料(麦やトウモロコシなどの穀物)を慎重に与えていくことが必要となってくるわけです。

数少ない素牛を丁寧に育てることで美味しい牛となる

先にも述べましたが、沖縄で生まれた子牛のほとんどが、素牛として日本各地の農場へと出荷されていきます。そのため、残った牛は数が少ないため、とても希少な牛となります。

数が少ないので、充分な牧草と人手、ストレスを与えない環境などを用意することが可能となります。牛の健康管理には非常に気を配り、大切に育てられた牛だからこそ、美味しい牛に育つのです。

牛肉の「A5」などのランクの意味

牛肉の質を評価する目安として、「歩留等級」と「肉質等級」というものがあります。「歩留等級」は、ランクが「A」・「B」・「C」と三段階あります。「歩留等級」とは「牛の原形に対して、食用可能の部分が何%あるか」でランクがつけられます。

「A」が「標準よりよいもの」であるという評価で、「B」は「標準である」という評価になり、「C」は「標準より劣るもの」という評価となります。

「肉質等級」については、「1~5」の5段階評価となります。「肉質等級」とはその名の通り、「肉の色沢」・「肉の締まり」・「肉のキメ」・「霜降り度合い」・「脂肪の色・質」などの肉質を評価したものです。

「3」を「標準」として、「5」は「かなり良いもの」・「1」は「劣るもの」となっています。「A5」ランクという表示は、「食用可能な肉の部分が多く、肉質がかなり良いもの」という意味になります。ぜひ、お買い物をするときの参考になさってください。

牛肉の部位についての違い

牛肉は、部位によっても肉質が違います。どのように違うのか、それぞれみていきましょう。

牛のもも肉

もも肉は牛の後ろ足の付け根の肉で、人間のももをイメージするとわかりやすくなると思います。

よく動かす部分であるため筋肉が発達しているので、脂が少なくて赤身が多い部分となります。販売されている価格については、わりと安くなっている部位です。

牛の肩肉

人間の肩と同じような場所にある部位です。前足の付け根から首あたりまでの肉となります。肩肉は、スジが多い部分と柔らかさがある部分がある部位なので、煮込み料理に適しているといえます。

濃厚な味わいが楽しめる部位でもあります。「ミスジ」と呼ばれる希少な部位も、この肩肉の部分に含まれています。

牛の肩ロース

肩肉の上のほうの肉となります。赤身の中にある霜降り具合が絶妙なバランスで、脂と赤身の美味しさが味わえます。肩ロースの中でも首に近い部分は、かためになるので煮込み料理に適しています。

牛のリブロース

牛肉の部位のなかでも、サーロインと並んで格の高い部位といわれているのが、このリブロースです。霜降りを存分に堪能でき、絶妙なキメの細やかさで、口の中にいれると赤身が溶け合い、旨味が口いっぱいに広がっていきます。

ステーキにしても良し、煮込み料理にしても良しで文句のつけようがないほどの優れた部位です。

牛のサーロイン

ステーキといわれると、サーロインという言葉が浮かぶほど、ステーキではおなじみの部位ですね。見た目が美しいほどの霜降り具合で、脂の旨味と甘みを堪能できます。

ステーキとして焼いてしまっても柔らかく、とてもジューシーであるので、ステーキのために存在するような部位といえます。肉質は抜群によいので、ステーキとしてだけでなく、すき焼きしゃぶしゃぶにしても最高です。

牛のヒレ

牛のヒレ肉は、1頭からほんの僅かしか取ることのできない希少な部位です。肉質は、脂肪やスジが少ない赤身でありながら、とても柔らかく口の中でほどけるほどです。あっさりとした味わいで、脂質も少ないので脂が気になる方にもオススメです。

火を通しても柔らかい肉質なので、どんな調理方法でも美味しくいただけます。

牛のランプ

ランプは、赤身の肉ですがヒレについで柔らかい部位です。旨味がとても強く、噛むほどに肉の味が楽しめます。適度な脂もあり、ユッケ・ローストビーフ・ステーキなどの調理方法が適しています。

牛のバラ

バラ肉とは、あばら骨周辺の部位になります。前足に近いほうが「肩バラ」、お腹から後ろ足あたりが「トモバラ」とされています。焼肉での「カルビ」は、このあたりの部位になります。焼肉には、ピッタリの部位です。

「肩バラ」よりも「トモバラ」のほうが、霜降り具合が多くなっています。肩周辺は動かすことが多く、お腹のほうはそこまで動かすことがないためだと思われます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?日本各地のブランド牛は、生まれが沖縄であることが多いこと。沖縄の環境が牛の肥育に適しているということ。牛肉のランク表示についての意味。牛肉の部位によっての美味しさの違い。

これらについて、ご紹介いたしました。美味しい牛肉を食べるには、ある程度の知識も持っておくのが良いのかもしれません。ストレスもなく充分な餌も与えられて、健康に育った沖縄の和牛をぜひ召し上がってみてください。

 


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