沖縄の「ぜんざい」は全く違う!?|「おしるこ」と「ぜんざい」の地域ごとの違い

沖縄の「ぜんざい」は全く違う!?|「おしるこ」と「ぜんざい」の地域ごとの違い

 目次
「おしるこ」と「ぜんざい」は違う!?
「おしるこ」と「ぜんざい」は地域ごとで違う!?
「おしるこ」と「ぜんざい」の語源とは
ほかとは違う沖縄の「ぜんざい」

おしるこ」と「ぜんざい」。よくよく考えると、「そのはっきりした違いというのがわからない」という方は意外と多いのではないでしょうか。ここでは「おしるこ」と「ぜんざい」の地域ごとの違いと、その背景についてご紹介していきます。

「おしるこ」と「ぜんざい」は違う!?

「おしるこ」と「ぜんざい」には、違いがあります。それぞれどのように違うのか、みていきましょう。

「おしるこ」の特徴

「おしるこ」といっても、地域ごとに違いがあります。「こしあん」や「つぶあん」を水分で煮込み、「小豆汁」にして、その中に「」や「白玉団子」を入れたものを「汁粉(しるこ)」と呼ぶことが多いようです。

「おしるこ」は、江戸時代には存在していました。江戸時代の「おしるこ」は甘い味ではなく、塩で味付けをされていたとのことです。江戸時代では「おしるこ」は、酒のつまみとして親しまれていたといわれています。

「ぜんざい」の特徴

多くの「ぜんざい」と呼ばれるものは、小豆を砂糖で煮詰め、そこに「餅」・「白玉団子」・「栗の甘露煮」などを入れた料理のことです。小豆から煮て、濾すことはしないので、粒あんとなっています。

粒あんでないものは、「ぜんざい」とはあまり言わないことが多いようです。

「おしるこ」と「ぜんざい」は地域ごとで違う!?

「おしるこ」と「ぜんざい」は、それぞれ地域ごとに解釈が異なるようです。日本全国、各地で違いがあります。とくに沖縄の「ぜんざい」は、ほかとは違います。沖縄の特徴は、のちほどご紹介しますので、それ以外の地域をみていきましょう。

関東の特徴

関東のおもな特徴は、小豆あんの汁物のことを「汁粉(しるこ)」と呼ぶことが多くなっています。小豆の粒ありである「つぶあん」と、小豆の粒がない「こしあん」で呼び方が違うなどの特徴もあります。

粒がある「つぶあん」の「おしるこ」は、「田舎汁粉」と呼ばれていることもあります。粒がない「こしあん」の「おしるこ」については、「御前汁粉(ごぜんじるこ)」と呼ばれることもあるとのことです。

関東では、「ぜんざい」よりも「おしるこ」という呼び名のほうが、親しみがあります。

関西・九州の特徴

関西では、粒なしの「こしあん」のものを「おしるこ」と呼び、粒ありで「つぶあん」のものを「ぜんざい」と呼ぶのが一般的とされています。ちなみに、餅にあんを添えたもののことは、「亀山」や「金時」などと呼ばれることがあります。

九州も関西と同じように、「こしあん」のものを「おしるこ」、「つぶあん」のものを「ぜんざい」と呼ぶことが多いということです。ただし、九州の地域の違いで、「餅」入りのものを「おしるこ」と呼び、「白玉団子」入りのものを「ぜんざい」と呼ぶこともあります。

北海道の特徴

北海道には、これといった呼び方の違いは見受けられないようです。ただ、地域によっては特殊な食べ方をします。それは「おしるこ」に、餅や白玉団子を入れるのではなく「かぼちゃ」を入れるということです。

かぼちゃを入れるようになったきっかけは、「お米の収穫が困難だった時代」が関係しています。お米が希少だったため「餅」が作れず、その代わりに「かぼちゃ」を入れるようになったということです。

「おしるこ」と「ぜんざい」の語源とは

「おしるこ」と「ぜんざい」には、それぞれに語源があります。そのように呼ばれるきっかけは何だったのか、ご紹介します。

「おしるこ」の語源とは

「おしるこ」はもともと、小豆の粒がないサラサラとした汁物のことです。とくに「こしあん」と使う場合には、「さらしあん」が使われることが多くありました。では、「さらしあん」とはどんなものでしょうか。

「さらしあん」は、「こしあん」を加熱して乾燥させ「粉末状」にしたものになります。この「さらしあん」という粉のあんを使っていったことから、「粉」の「汁」とよばれるようになり、「汁粉」となったと考えられています。

「ぜんざい」の語源とは

「ぜんざい」の語源は、2つの説が伝えられています。ひとつめは「善哉(ぜんざい)説」といわれているものです。「善哉」とは仏教用語であり、「よきかな」とも読みます。「素晴らしい」ということを意味する言葉です。

その昔、どこかの僧侶が「ぜんざい」を食べ、あまりに美味しかったため、「善哉」と叫んだことから、この名前がつけられたのだといわれています。

もう一つの説は、「神在餅(じんざいもち)説」です。出雲神社の神事が行われた際、餅が振舞われていたということです。ご利益からか、その餅のことを「神」が「在(られる)」「餅」ということで、「神在餅(じんざいもち)」と呼ぶようになったとのことです。

その「神在餅(じんざいもち)」がなまって、「ぜんざい」へと変わったのではないかと考えられています。

ほかとは違う沖縄の「ぜんざい」

日本全国さまざまな違いのある「ぜんざい」でしたが、沖縄の「ぜんざい」はまた一味も二味も違います。多くの地域で食べられている「ぜんざい」をイメージして、沖縄の「ぜんざい」を知ったら、はじめは驚くことでしょう。

沖縄の「ぜんざい」は、温かくして食べるものではありません。冷たくして食べます。そのため、かき氷が添えられているのです。豆を甘く煮るという調理工程は同じですが、材料として使う豆が違います。

多くの地域では小豆を使用しますが、沖縄では小豆を使わず「金時豆」を使います。沖縄に「ぜんざい」が誕生した頃は、「金時豆」ではなく、「緑豆」という漢方にも使われる豆が使われていました。

緑豆」が「金時豆」変わったのは、戦後のことです。「緑豆」は希少であったため、戦後、米軍物資としてカリフォルニア産の金時豆が入り、金時豆で代用して作られるようになったということです。

「緑豆」で作られていた当初、「ぜんざい」は「あまがし」と呼ばれていました。「緑豆」は解熱作用があるので、冷たいスイーツとして作られた「あまがし」は沖縄にピッタリの食べ物だったことでしょう。

かき氷と一緒に「ぜんざい」が食べられるようになったのは、冷蔵庫が普及してからのことだそうです。

沖縄の「ぜんざい」の素晴らしい所は、味付けに砂糖を使わず、「黒糖」を使っているということです。近年、砂糖よりも黒糖を使うほうが身体に良いともいわれています。

沖縄の「ぜんざい」で、さらに特徴的なのが「白玉」などは使わず、「押し麦」が入っていることです。「押し麦」とは、うるち性の「大麦」を押しつぶしたものです。「押し麦」は「白米」よりも低カロリーで、食物繊維が豊富です。

食物繊維の量は、「小麦粉」が100gで約2.5gであるのに対し、「押し麦」の食物繊維は100gで約12.2gも含まれています。腸内環境にお悩みの方に、ピッタリの食材といえそうです。

「金時豆」にも食物繊維は豊富に含まれています。「金時豆」の場合は、ただそれだけではありません。「金時豆」は、「ポリフェノール」の含有量が他の食材と比べ、ダントツに高いのです。

ポリフェノールと言えば、活性酸素を除去してくれることで有名です。活性酸素が過剰に増加してしまうと、老化や病気の原因になるといわれています。その活性酸素の除去能力が高い「金時豆」は、老化や健康が気になる方にピッタリの食材といえるでしょう。

まとめ

「おしるこ」と「ぜんざい」。地域によってさまざまな違いがありました。その中でも、沖縄の「ぜんざい」は、他の地域の「ぜんざい」とは全くの別物といって良いほどの違いがあります。暖かい地域の沖縄ならではの知恵から生み出された「ぜんざい」。

美容と健康のために、一度試してみてはいかがでしょうか。



 

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